地域ガイド養成講座(静岡県開講/2024年度)
1.事業概要
事業名称|地域ガイドリーダー養成講座(静岡モデル)
主 催|静岡県グリーン・ツーリズム協会
実施期間|令和5年11月6日~8日(3日間講座)+11月26日(OJT)
受講者地|牧之原市、富士市、伊豆の国市・三島市・西伊豆町ほか
参加者数|15名(農林漁業者、民泊経営者、地域おこし協力隊、観光関係者など)
2. 実施目的
【来訪価値の明確化】
地元学を通じて、地域の自然・歴史・暮らし・人の物語を整理し、「ここに来る理由」「この人から聞く価値」を言語化する。農泊や歴史まちなみ等の固有資源を“語れるテーマ”にする。
【即戦力の育成】
ガイドスキル(伝え方・対象別対応)と安全管理(判断基準・体制・応急)を実践形式で身につけ、現場で自走できる人材を育てる。農泊の受入運用や教育旅行での対応も想定して訓練する。
【事業化まで接続】
体験プログラムの設計から価格表(タリフ)・導線・告知素材まで整備し、OJTで仕上げて“売れる”形に落とし込む。農泊×体験のパッケージ化や地域の受入組織との連携で継続運営につなげる。
3.講座構成
本講座は「学ぶ」「実践する」「つなげる」という3つの柱で構成されている。各プログラムは、地域資源を活かした体験観光の担い手として求められる知識と技能を、段階的かつ実践的に習得できる内容としている。
【カリキュラムの柱】
① 学ぶ:地元学・観光論・ガイドスキル・安全管理
② 実践する:フィールドワーク・企画演習・OJT実地研修
③ つなげる:他地域事例・参加者間の共有・地域との意見交換
受講後は、単に「案内する」だけでなく、地域の一員として主体的に活動できる人材を目指す。
[ 第1日目|地元学/フィールドワーク(まち歩き体験) ]
地域住民によるガイド実演を交え、まちの成り立ちや文化財の見方について学んだ。 三島市・源兵衛川では「水の文化」をテーマにガイド実践を行った。
[ 第2日目|農業体験・地産地消と食文化 ]
農家との交流や農作業体験を通じ、地域の暮らしに根ざした「食」とのつながりを学んだ。ご当地グルメの紹介を通じて、地域資源の掘り起こしも実施。
[ 第3日目|ガイド実践とリスクマネジメント ]
リスク対応や応急手当の基礎を学び、安全面への対応力を強化。地元漁師による体験プログラムの事例紹介も行った。
[ 第4日目|OJT研修 ]
実際の観光現場における案内実践を行い、受講内容の定着を図った。
4. 成果と効果
- 地域に根ざした観光資源への理解が深まり、地域全体でのガイドネットワーク形成が進展した。
- ガイド同士の交流と情報共有により、地域間連携の新たな可能性が生まれた。
- 教育旅行や体験観光の現場で、即戦力として活躍できる人材を複数輩出した。今後のモデル事業として、他地域への展開の可能性も視野に入る成果となった。
- ガイドという役割を通じて『地域の語り手』から『地域の担い手』へと意識が変化したことが見受けられた。
- 行政や観光事業者との連携体制づくりへの関心も高まり、次なる地携の足がかりとなった。
- 受講者の多くが地元への誇りと主体性を獲得し、自発的な地域活動への参加意欲が向上した。
- 講座修了後もOJTやフォローアップ活動を通じて、継続的なスキル定着と成長が促されている。
- 地域外の人々と協働する機会が増えたことで、関係人口の創出にもつながった。
- 参加者の一部は、地域での体験コンテンツの開発や新たな交流事業の立ち上げに取り組み始めている。
受講後フォロー:修了者コミュニティ/定例勉強会/OJTフォローを継続し、実装まで並走します。開催のご相談は〈お問い合わせ
〉へ。
5. 受講者の声
当たり前の景色に“物語”があると気づけた。台本づくりと現場練習がすぐ活きた。
安全の基準が共有でき、受入体制を自信を持って整えられた。料金設計の考え方も参考に。
対象別の話法や“導線”設計を学べた。OJTでのフィードバックで改善が早かった。
農泊×体験の流れを具体化できた。保険や安全面の整理が心強い。
さらに読む(他の受講者の声を表示)
「これまで気づかなかった身近な風景が、語れる地域資源になると実感した」
「自分の地域に眠る魅力を再発見し、伝えたいという気持ちが芽生えた」
「実際に地域を歩いて学ぶフィールドワークが印象的で、知識の定着に役立った」
「他地域の実践例を知ることができ、ガイドの幅広さを感じた」
地元学の棚卸しで地域の強みが可視化。連携先が増えたのが一番の成果。
「他の受講者との交流が刺激になった。横のつながりが今後の財産になる」
「安全管理の重要性を学べたことは大きな収穫だった」
「応急手当の実践が役立ちそう。すぐに現場で活かせる内容だった」
「ガイドには知識だけでなく、人間力や接客力も必要だと気づいた」
「プロの視点からのアドバイスが非常に参考になり、自信がついた」
タリフ作成と告知素材の“型”が実務的。明日から使える内容だった。
案内トークの順番と安全誘導が整理できた。受入の不安が減った。
フィールドワークでの実践が一番学びになった。ロープレの反復が良かった。
地域内連携と収益配分の考え方が腑に落ちた。事業として回せる見通しが立った。
6.まとめ
本講座は、地域資源を活用した体験型観光の担い手を育成することを目的に、地元に根ざした実践的なカリキュラムを通して、即戦力となるガイド人材を輩出することができた。
受講者からは高い満足度と意欲的な声が多く寄せられ、地域におけるガイド活動の裾野を広げる成果を得た。
今後は、修了者同士のネットワーク強化や地域での受入体制づくりといった展開を見据え、継続的な支援やスキルアップ研修の機会を提供していくことが重要である。
本講座の成果を基盤に、他地域への横展開や新たな地域観光人材の育成にもつなげていく方針である。
7. 使用機材一覧
本講座では、以下の教材・資料を活用し、講義およびフィールドワークにおける学びの充実を図った。(配布資料目次PDF)
| 教材名 | 内容 | 使用日 |
|---|---|---|
| 地元学ワークシート | 地域の歴史・文化資源を可視化するシート | 第1日目 |
| 観光ガイド実践ノート | ガイドスキルや話法の整理用ノート | 第1・2日目 |
| 食と農のつながりレクチャー資料 | 地産地消と農業体験の意義を学ぶ資料 | 第2日目 |
| リスクマネジメント基礎資料 | 安全管理・応急手当・緊急対応の基礎資料 | 第3日目 |
| OJT研修用チェックリスト | 現場でのガイド実践を評価・記録するツール | OJT日 |
| 講師作成レジュメ各種 | 各講義の要点整理資料(印刷配布) | 各日程 |
| 参考事例集:全国の地域ガイド取り組み | 他地域の好事例を紹介した冊子 | 第3日目 |
受講者アンケート集計結果
(回答者数|15名 回答率100%)
- 集計期間|令和5年11月26日〜12月10日
- 集計方法|講座最終日に配布・回収した紙ベースのアンケートをもとに集計
1.講座全体に関する評価
本講座に対する全体的な満足度は100%が「満足以上」と回答しており、実践性や講師の質に高い評価が寄せられた。特に、フィールドワークによる体験的な学びの効果が大きく、受講者からは「楽しかった」「理解が深まった」などの肯定的な声が多く見受けられた。
| 項目 | とても満足 | 満足 | 普通 | やや不満 | 不満 |
|---|---|---|---|---|---|
| 講座全体の満足度 | 73% | 27% | 0% | 0% | 0% |
| 内容のわかりやすさ | 67% | 33% | 0% | 0% | 0% |
| 実践性・役立ち度 | 60% | 40% | 0% | 0% | 0% |
| 講師の説明や対応 | 87% | 13% | 0% | 0% | 0% |
2.自由記述コメント(抜粋)
受講者の自由記述には、講座の構成や講師の力量、地域資源の新たな視点に関する評価が多く見られた。
◆ 講座の印象・気づき
- 実際に地域を歩いて学ぶことで、座学では得られない実感があった。
- 地元の風景や暮らしに対する視点が変わり、「語る素材」が多くあることに気づいた。
- 講師の話が現場経験に基づいており、非常に説得力があった。
- ガイドとしての責任感や、安全管理の重要性も学べた。
◆ 受講後の意識・行動の変化
- 自分の地域でも案内人として活動してみたいという意欲が芽生えた。
- 教育旅行や農泊の受け入れに挑戦してみたいと感じた。
- 他の受講者とのつながりを継続し、地域間での情報交換を行っていきたい。
3.講座受講による変化(チェック式)
以下の質問に対して、いずれも高い肯定的回答が得られた。
特に、「今後の活動に活かしたい」が100%という結果は、講座の成果を端的に示している。
| 質問内容 | はい | いいえ |
|---|---|---|
| 地域資源の新たな魅力に気づくことができたか? | 100% | 0% |
| ガイドや案内の仕事に関心が高まったか? | 93% | 7% |
| 今後、学んだことを地域活動に活かしていきたいと思うか? | 100% | 0% |
今後への要望・提案
- ステップアップ講座や継続的な研修機会を設けてほしい。
- 他地域の先進事例や視察機会を取り入れてほしい。
- SNSやWebを活用した情報発信方法も学びたい。
- 実地研修(OJT)の時間をより多く確保してほしい。
総括
今後、各地で同様の講座を実施することで、地域資源を活かした人材育成と観光・教育分野の連携強化が期待される。
合計目安 | ¥500,000+実費

